スイスのSIG(シュバイツィシュ・インデュストリー・ゲゼルシャフト)社は、ドイツのザウエル&ゾーン社と協力してP226を開発。これをさらに発展させて小型化されたP228を完成させた。P228の口径は9mm、装弾数は13発(プラス薬室に1発)、命中精度・信頼性に優れ、アメリカ軍にM-11として採用されている。また、FBIの人質救出チームであるHRT、ATF(アルコール・タバコ・火器局)、シークレットサービスなどの多くのエージェントも使用している名銃だ。
ジャック・バウアーが愛用しているのは、このP228をベースにし、口径を10mmにアップさせたP229である(ジャックの使用銃は、スライド部分がメタリックになっているP229/SL)。
拳銃の威力は、基本的に口径の大きさに比例する。クリント・イーストウッドが演じる、映画「ダーティハリー」のキャラハン刑事の愛用銃「44マグナム」の口径は11.176mm。圧倒的な破壊力を誇るものの、機動性と命中率に劣るという面がある。だが、多くのエージェントが使用する9mm口径では、破壊力に欠ける。
そこでジャックは、この両面を補う10mm口径のP229を愛用しているのだろう。P228と同じコンパクトボディのP229は、口径が大きくなっただけ、装弾数はP228の13発に対して12発となっているものの、大型口径銃とは思えないほどの高い命中率を誇っているのだ。
ちなみに、P229の全長は180mm、重量は850gだが、44マグナム(6インチ)の全長は292mm、重量は1330gもある。